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離婚の財産分与について

財産分与とは、婚姻中にお互いで築いた財産を分け合うことです。
名義は夫のものとなっていても、これは妻の協力があって形成されたものであり、共有財産とされ、貢献の割合に応じて分け合います。
貢献度の割合をだした判例では、共働きであっても夫婦の収入の差が貢献度の差とはならず、半分ずつとする例が多いようです。
収入に何十倍も差があったり、労働時間があまりに違う場合、自営業で夫が主に運営している場合等は、多少考慮され割合が変わります。
専業主婦の場合では2割〜5割で、家事労働として貢献度を考慮しています。

また、財産分与は離婚原因がある側、内縁関係の妻側からの請求もできます。
現実の財産分与の支払いは、慰謝料と合算する場合が多く、家庭裁判所の統計も合算して出しています。
ただ、財産分与に常に慰謝料が含まれているわけではありませんので、 何に関していくら支払うのかを離婚協議書に明記しておかないと、後々問題になりかねません。

統計では、財産分与と慰謝料との合算で200万から500万円が多いです。
支払は期間、金額、方法について具体的に離婚協議書で決める必要があります。
財産分与について話合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に財産分与請求の調停を申し立てることができます。
調停が不調になれば、審判に移行して、裁判官に判断してもらいます。

また、離婚訴訟を提訴する場合は、財産分与の申立ても合わせて地方裁判所にすることができます。
財産分与は協議離婚での離婚届受理日、調停離婚での調停成立日、 審判離婚での審判確定日、裁判離婚での判決確定日から2年以内に申し立てなければなりません。

財産分与する際、婚姻中の財産を性質で3つに分けます。
▼共有財産
共有的に取得・形成した財産、共同生活に必要な家具等です。
▼実質的共有財産
結婚中に夫婦が協力して取得・形成した財産で、夫名義のものです。
▼特有財産
結婚前から各自が個別で所有していたものや、結婚中に一方が相続したり贈与をうけたものです。
特有財産であっても妻がその財産の形成に貢献している場合は、考慮されます。
共働きで、生活費をお互いに出し合い、またこれ以外で、それぞれが貯金していた場合、 この貯金は特有財産になり、財産分与の対象にはなりません。

財産分与の法律的な性質
▼清算的財産分与
婚姻中の財産の清算を意味します。
▼扶養的財産分与
貢献度による清算ではなく、離婚後の妻の生活が困難であったり、子どもの観護のため必要な場合に 援助として支給されるものです。
期間は、自分の収入で生活できるようになるまでどれくらいか、 額は、離婚前の生活費を考慮して算出します。
支払期期間については3年前後が多いですが、長期にわたり継続的に必要だと判断される場合は、 それに見合った期間が命じられます。ただ常に認められるわけではなく、あくまで、財産分与する側に資力があることが前提です。
▼慰謝料的財産分与
離婚の慰謝料を意味する財産分与です。
最高裁判所は財産分与に離婚による慰謝料を含めることができるとの見解を示しています。
財産分与に慰謝料が含まれていて、精神的な損害に対して十分な支払いがされている場合、 夫の浮気などをの理由で、別にさらに慰謝料を請求することはできません。
逆に、慰謝料的財産分与を含めて財産分与がされても、精神的苦痛に対して十分な支払いがされていないと 認められる場合には、別に慰謝料の請求ができます。
最高裁判所は、裁判上の離婚で財産を評価する時期は、離婚の時点を基準とするという見解を示しています。
扶養的財産分与も、財産の評価時期は離婚成立時からお互いの状況をみて算出していきます。
また、別居後に各自が取得したものは、婚姻関係が破綻しているので財産分与されません。

以下は財産分与の対象となる具体的なものです。
土地、建物等の不動産については、お互いが納得する金額を算出する事になります。
算出方法は、税金の評価方式や公示価格等です。
ローンが残っている場合は、名義変更がし難いという問題があります。
このときは期間を決めて、妻に賃借権を設定するという方法もあります。
また、ローンの連帯保証人になっている場合も多く、 連帯債務をはずしてもらうには、ローンを組んでいる金融機関との話し合いになり、 別の連帯保証人をみつける等の対処が必要になります。

物はそのまま分けるか、金銭に換算し、その半額を相手に払うという方法もあります。
離婚成立時の前後1年以内に受け取ることができる満期保険金は、受取人がどちらであっても夫婦の共有財産となります。
払込保険料総額や、解約返戻金は対象になりません。
夫が、医師、弁護士、などの専門的な職業上の資格を取得している場合には、 妻の協力を得て取得したと貢献度が考慮され、金銭で財産分与されることになります。

賃金の後払いであると解釈される退職金は妻の協力により、夫も働く事ができたので共有財産となります。
年金は、支給の確定しているものについては、清算の対象となります。
判例では、離婚時に支給の確定していないものについては、共有財産として認めないとしています。
長期の別居の場合、法的にはその間の妻の生活費は、婚姻費用の分担として夫に請求できます。
判例では、過去の婚姻費用は、財産分与として請求できるとしています。

夫婦の一方の婚姻期間中の借金は、保証人になっていない限り、もう一方が払う必要はありません。
ただ、借金が家賃や生活費などの家事に使ったものだった場合は、たとえ一方が知らない借金であっても、 離婚後も連帯して支払う義務が生じます。
共同生活をしていく上での借金は、それが日常家事債務の範囲を越えるものであっても 夫婦共同の債務とみなされ、財産分与の対象になります。

その他、くじの当選金や、へそくり、自賠責保険の事故保険金等が財産分与の対象とされています。
結婚前からの夫名義の預金であっても、 結婚後の金銭をほぼ、妻がだしていたような場合、その夫名義の預金は共有財産とみなされます。
夫の親に、婚姻生活のために出してもらった金銭は、その夫婦の共有財産になります。

ただ、この金銭が親から夫に対する相続の意味をもつと、夫の特有財産となります。
まとめますと、財産分与の対象になるかどうかは、名義や、婚姻前か婚姻後か、 ではなく、その財産の形成について相手の協力があったかどうかで決まります。

現金以外の物で財産分与する場合には、譲渡所得税がかかります。
不動産を財産分与した場合、譲渡所得税がかかる場合があります。
株式、ゴルフ会員権を譲渡した場合にも課税されます。
原則として、財産分与を現金で受け取る側は、所得税も贈与税もかかりませんが、不動産の場合は、不動産取得税がかかります。

財産を離婚協議中に処分されないためには、家庭裁判所に離婚の調停を申し立てて、財産の処分を禁止する仮処分を申し立てる方法、 審判での保全処分を申し立てる方法、 地方裁判所に財産の処分禁止の仮処分や仮差押えの申し立てをする方法があります。



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